ちいさなコツ : 運動しながら作業をする
運動習慣を作りたいけど、ジムに行く時間がない
日ごろから、適度な運動を習慣化することが健康維持にとって大切なことである、ということがよく言われます。ただ、実際にそれを実践しようと思うのなかなか難しいものです。特に、複数の目標を同時進行で追いかけているときは、運動以上に自分の中で優先したい活動がいくつかあり、結果的に体を動かすために時間を作るのは簡単ではありません。体を動かすということは、1日や2日の取り組みで自分に大きな変化がもたらされるというわけではないので、そういう意味でも、比較的短期間のスコープで「結果」のようなものが得られる別のタスクに時間を優先的に使いたいという気持ちにもなってしますものです。僕も、複数の資格を同時に取得するために勉強をしていた時期に、同じように感じていました。
今回は、この問題を解決するために僕がやってみたことを紹介します。端的に結論を述べると、「運動を環境にする」ということです。
運動を環境化する
運動の週間を作りたいけれど、ジムに行く時間がつくれないという問題といっても、問題としている時間は異なります。例えば、ジムが住んでいるところから離れた場所にあり、そこまでの移動時間が惜しいと感じてしまうので思うようにジムにいけないけれども、運動を実際に行っている時間については自身が抱えているほかのタスクと優先度の点で競合しない、という状況があります。この場合は、家の近くのジムを探すことや、家でもできるトレーニングや運動方法を模索してみるということが解決策になると思います。
そのうえで、ここで僕が問題としたいのは、そもそも運動をしている時間そのものを他のタスクと比較して優先することができない結果、運動の習慣を作ることができない、という状況です。僕の場合、家から歩いて5分以内の場所にジムがあり、24時間を通じて開放されているので移動時間などが問題になるということはありませんでした。ただ、運動だけに時間を使うのなら、代わりにその1時間を資格の勉強に充てたい、と思ってしまう状況でした。
この状況を解決した方法が「運動の環境化」です。環境化というのがどういう意味か、順を追って説明します。まず、その頃の自分の頭の中では、「運動」と「資格の勉強」が競合するタスクとして位置付けられていました。つまり、例えば目先の1時間を何に使うか、という択一式の問いにおける選択肢のひとつとして。両者は同格でした。ですが、実はこの両者は必ずしも競合しません。「運動しながら資格の勉強をする」ということはできるからです。このように、何かを環境化するというのは、「〇〇しながら」の〇〇にしてしまうということです。身近な例でいえば、電車で移動しながら本を読む、などは日常的に誰もがやっていることだと思いますが、ここにおいて、電車での移動、は本を読むという活動を行う際の場であり、環境となっています。
運動を環境化する、僕の例でいえば「運動しながら勉強をする」、ということをしようと思った際に、僕が具体的に取り入れたのはエアロバクを漕ぎながら試験の過去問に取り組むというものでした。ちょっと考えれば簡単に思いつくようなことなのですが、この小さな思い付きは僕の生活を劇的に変えています。それまでは、1か月の間にジムに数回いければいいという程度だったのがウソのように、平日は毎日ジムで運動をするという習慣を作ることができました。
抱えているタスクや、取り組みたいことは人それぞれ異なるので、すべての人にとってこの方法が良い解決策になるわけではないですが、勉強や読書に関するタスクであれば、このエアロバイクを漕ぎながら勉強をする、という方法はかなり優れた解決になると思っています。なのでぜひ、運動習慣を作りたいけど、時間がつくれない、という悩みを持っている方には試してみてほしいと思います。
プラスアルファの小さなコツと注意点
ちなみに、このエアロバイクを活用した方法には、さらなるコツと小さな注意点があります。
さらにちいさなコツというのは、自分にとって重要度が高いけれどもなかなか習慣的に取り組めないタスクをこの運動と抱き合わせにするということです。自分の場合は、「試験の過去問演習」というのがそうでした。資格の勉強あるあるかもしれませんが、テキストを読むのは苦じゃないのだけれど、過去問を実際に解くとなると途端におっくうになってしまうことがありませんか。僕は、そうでした。なので、資格の勉強時間をとっても、いつもテキストを読むことばかりに時間を使ってしまい、過去問が全然できていない、という課題を自覚していました。でも、わかっていても、問題演習に取り組むというのは全然気が進まず、できないでいました。やらなければいけないことは、やりたくないことであることもあり、案外、重要なことほどやりたくないことであったりします。
運動を環境化した時点で、運動の時間を毎日設けることは可能になったので、問題はそこにどのタスクを割り当てるか、です。この、確定で訪れるタスク実行枠に、やらなければいけないけれどやりたくないこと、を結びつけることで、やりたくないことから簡単には逃げられなくなります。もちろん、あまりにもやりたくなさすぎることを割り当ててしまうと、今度はやりたくないことをやらなければならないということが足を引っ張って、運動すらままならなくなります。なので、そこはバランスや、ガス抜きをうまくやって調整していく必要があります。
次に注意点ですが、何でもかんでも環境化しない方がいい、ということです。
環境化という、この方法は、運動意外にも使えます。僕は、歩きながらギターの練習をするために、歩いているときはだいたいポケットに手を入れて、あるいは左手で右の前腕をギターを握るようにつかんで、指を一定の順番と速さで動かすという練習をするようにしています。この歩きながらの練習自体はとてもうまくいっているのですが、これを運動の習慣と組み合わせた時に、かなり失敗しました。
何をしようとしたのかというと、エアロバイクを漕ぎながら、左手で右前腕を握って指を動かしつつ、過去問に取り組もうとしたのです。その結果、勉強に集中すると指が動かなくなり、指を動かそうとすると勉強がおろそかになり、指と勉強のバランスが取れたと思ったら脚が全然動いていない、ということに陥りました。それでも、やってるうちに全部できるようになるだろう、と言い聞かせて数か月続けましたが、どれも中途半端に終わりました。この経験から、今では運動の環境化の時には、ギターの練習はしないことにしています。
ひとそれぞれキャパシティーは異なるので、いろいろなことを同時に環境化することができる人もいると思いますが、目的を絞って、できる範囲で最大の結果を得られるように調整することをおすすめします。


